個人事業用の普通預金通帳で資金管理をする!~事業開始前に知っておきたい経理と消費税の基礎知識①
開業のための基礎知識を、次の順序で説明しています。
1 個人事業を始める場合の各種届出と確定申告
2 事業の具体的な準備(資金調達・借入や助成金の活用など)
3 事業計画の作成
前回まで開業にあたってのいろいろな届出を紹介してきました。
今回から開業前に知っておきたい経理と消費税の知識を次のとおり紹介します。
① 個人事業用の普通預金通帳で資金管理をする。
② 経理の必要性~将来の経営計画を立てるための基礎資料になります。
③ 経理の記帳方法-会計ソフトの利用
④ 記帳から確定申告までの流れ
⑤ 消費税の課税事業者と免税事業者
⑥ 原則課税と簡易課税
⑦ 帳簿・証拠書類は整理して保存する。
今回は
「個人事業用の普通預金通帳で資金管理をする!」です。
必ず個人事業用の普通預金口座をつくってくださいね
個人的な支払と事業用の支払の区別をはっきりさせるためです。個人的な支払の部分は必要経費になりません。そういう問題を解決するため、個人事業をはじめたら個人事業用の預金口座をつくります。個人事業に関するお金の出入りは個人事業用の口座で管理します。
口座名義を屋号にすることができる銀行もあります
預金口座は、個人または法人でしかできません。個人事業の場合は、個人で口座をつくることになりますが、金融機関によっては、屋号を個人の名前の前につけることができる銀行があります(屋号付き口座)。
メリットは、屋号での口座をもつと、お客さまに「事業」を意識していただけるという効果があります。
普通預金の通帳は記帳がいらない簡単な帳簿になります
事業の収支を手軽に確認する方法として、普通預金の通帳の利用をおすすめします。
入出金をひとつの個人事業用の普通預金の口座にまとめて、必要に応じて通帳にメモ(鉛筆で)を残します。
普通預金の通帳を見れば、事業全体のお金の流れを把握することができます。
① 売上は振込にしてもらう。
売上(収入)は、なるべく普通預金の口座に振り込んでもらいます。現金で集金した売上は、そのつど口座に入金しメモを残します。
② 支払は口座から振り込む
支払(仕入や経費)は口座から振り込みます。現金支払いはまとめて口座から引き出し、通帳に現金経費用としてメモします。
引き出した現金は店舗や事務所の金庫で管理します。小口の支払(例えば、切手の購入、出張旅費、消耗品の購入など)は現金出納帳に記入します。
ただ、現金出納帳はどうしても自分で記入するという作業が発生します。現金での支払いをなるべく少なくして、普通預金で支払うことがポイントです。
また、銀行に行かなくても振込ができ、振込手数料が安くなるネットバンキングの活用を考えてみてください。
開業の手続きや税金で気になる点があれば、お気軽にご相談ください(初回無料です)。
では、みなさん、冬の1日を元気にお過ごしください!
月曜日は「開業のための基礎知識」~初めて開業する方に、開業の方法や必要書類の準備を税理士からお伝えしています。
起業に興味のある方、起業準備中の方、起業して間もない方は、ぜひ参考にしてください。
これらの方を対象に、開業に必要な基本的なルールを解説しています。
月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に税理士からお伝えします」
・「開業の方法や必要書類の準備を税理士からお伝えします」はこちら(10/30)
・「社会保険の変更の手続きが必要になります」はこちら(11/6)
・「給与所得の源泉徴収票の保管を忘れずに」はこちら(11/13)
・「退職後の住民税の支払いを忘れずに」はこちら(11/20)
・「事業主としてリスクに備える“小規模企業共済”がおすすめです」はこちら(11/27)
・「商売の看板『屋号(社名)』をつける」はこちら(12/4)
・「事業の各種届出から確定申告まで」はこちら(12/11)
・「青色申告はどうすればよい?届出は税務署からスタートします」はこちら(12/18)
・「青色事業専従者給与に関する届出書を忘れずに提出しましょう」はこちら(12/25)
・「給与支払事務所等の開設届出書を忘れずに提出しましょう」はこちら(01/01)
・「『減価償却資産の償却方法の届出書』を提出することができます」はこちら(1/8)
・「消費税!個人事業者は、事業開始年は免税事業者になります」はこちら(1/15)
・「手続きをすれば、事業の開始年に消費税の還付を受けることができます」はこちら(1/22)
・「労働基準監督署への届出~労働基準監督署で労災手続きをします」はこちら(1/29)
・「ハローワークへの届出」はこちら(2/5)
・「日本年金機構への届出~個人事業でも基準を満たせば加入します」はこちら(2/12)
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」
・火・木曜日は「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」
・水曜日は「同族会社とその役員の手引き」
・金曜日は「相続税についてわかりやすく」
・土曜日は「会計の勉強を始めた起業者の方に“会計超理解ハンドブック”」
・日曜日の「住宅取得等資金の贈与の非課税の誤りやすい事例」