井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.02.01.Thu | 介護事業

平成30年度介護報酬改定の動向~訪問看護の論点⑥「集合住宅減算(同一建物減算)の見直しとは何か?」

介護報酬改定に係る「訪問看護」の主な論点をご紹介します。

見直しの論点は次のとおりです。(出所:平成29年12月18日「平成30年度介護報酬改定に関する審議報告」)

 

「訪問看護」の見直しの主な論点

1 在宅の中重度要介護者の療養生活に伴う医療ニーズへの対応強化

2 ターミナルケアの充実

3 複数名訪問加算の創設(看護補助者の同行可能に)

4 訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直し

5 報酬体系の見直し

 集合住宅減算(同一建物減算)の見直し

 

今回は

論点⑥「集合住宅減算(同一建物減算)の見直しとは何か?」を紹介します。

 

介護給付費分科会で「訪問介護の報酬・基準について」、次のような現状の報告がありました。

(平成29年11月1日 第149回同分科会)

 

(集合住宅におけるサービス提供の現状について)

・ 不適切事例の是正はぜひとも必要です。一定以上の頻回訪問については、事前にかかりつけ医を含む多職種でアセスメントをしたり、保険者が個別にケアプランを点検できるようにすることが必要です。

・ 大阪府の調査については、調査対象となった地域、集合住宅入居者の特性などの有無を調べて、条件を合わせた上で比較をしなければ、乱暴な議論になってしまいます。

・ 大阪府の調査結果や今後の実態調査を踏まえて、サ高住や有料老人ホームについて、さらなる減算を行うことについても検討すべきです。

・ ケアマネジャーの客観性、独立性が担保できるような仕組みをしっかりと構築する必要があります。

(頻回訪問の状況等は、最上図や下図を参照)

 

現状を踏まえ「同一建物等居住者にサービス提供する場合の報酬」について、論点が示されました。

訪問介護のサービス提供については、以下に該当する場合に10%減算とされていますが、建物の範囲等を見直してはどうでしょうか?

① 事業所と同一敷地内又は隣接する敷地内に所在する建物(養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(以下「有料老人ホーム等」という。)に限る)に居住する者

② 上記以外の範囲に所在する建物(有料老人ホーム等に限る)に居住する者(当該建物に居住する利用者の人数が1月あたり20人以上の場合)

 

※ この論点は、訪問系サービス共通(訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、夜間対応型訪問介護も同様)

 

これらを踏まえ、介護サービスの適正化・重点化を図る意味から、「同一建物等居住者にサービス提供する場合の報酬についての見直し」について、次の点が示されています。

 

①(減算対象となる住宅を全ての集合住宅とします)

減算対象となる高齢者住宅を有料老人ホーム等(養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅)に限らず、全ての集合住宅とします。

 

②(集合住宅は50人以上で減算強化となります)

集合住宅減算強化を強化する要件は、事業所と同一敷地内又は隣接する敷地内に所在する建物に利用者が月50人以上居住する場合です。

 

③(計算ルールの変更~減算適用前の単位数を用います)

集合住宅減算の適用を受けた場合、区分支給限度額において提供サービスの報酬単位をカウントするときに、減算前の単位数を用います。

(下図参照 出所:日経ヘルスケア1月号)

 

<参考>審議報告(12/18)の見直し案は、次のとおりです。

 同一建物等居住者にサービス提供する場合の報酬についての見直し)

① 訪問看護のサービス提供については、以下に該当する場合に10%減算とされていますが、建物の範囲等を見直し、いずれの場合も有料老人ホーム等以外の建物も対象とします。

ア 事業所と同一敷地内又は隣接する敷地内に所在する建物(有料老人ホーム等に限る)に居住する者

イ 上記以外の範囲に所在する建物(有料老人ホーム等に限る)に居住する者(当該建物に居住する利用者の人数が1月あたり20 人以上の場合)

② またアについて、事業所と同一敷地内又は隣接する敷地内に所在する建物のうち、当該建物に居住する利用者の人数が1月あたり50 人以上の場合は、減算幅を見直します。

※ 養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅

③ 上記①又は①による減算を受けている者と、当該減算を受けていない者との公平性の観点から、上記①又は②による減算を受けている者の区分支給限度基準額を計算する際には、減算前の単位数を用いることとします。

 

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みなさん今日も、冬の1日を元気にお過ごしください!

 

火・木曜日は、「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」として記事を紹介しています。

平成30年度介護報酬改定の動向

訪問看護の改定見直しの主な論点 

・論点①「在宅の中重度要介護者の療養生活に伴う医療ニーズへの対応強化とは何か?」はこちら(1/16)

・論点②「ターミナルケアの充実とは何か?」はこちら(1/18)

・論点③「複数名訪問加算の創設とは何か?」はこちら(1/23)

・論点④「訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直しとは何か?」はこちら(1/25)

・論点⑤「報酬体系の見直しとは何か?~基本サービス費を要支援者・要介護者で別立て」はこちら(1/30)

 

居宅介護支援の改定見直しの論点

・論点①「質の高いケアマネジメントの推進とは何か?」はこちら(12/26)

・論点②「公正中立なケアマネジメントの確保とは何か?」はこちら(12/28)

・論点③「訪問回数の多い利用者への対応とは何か?」はこちら(1/2)

・論点④「医療と介護の連携強化とは何か?」はこちら(1/4)

・論点⑤「末期の悪性腫瘍の利用者に対するケアマネジメントとは何か?」はこちら(1/9)

・論点⑥「障害福祉制度の相談支援専門員との密接な連携とは何か?」はこちら(1/11)

通所介護サービスの適正化について

・「通所介護に係る基本報酬の減算措置を含めた介護報酬の適正化」はこちら(12/12)

・「通所介護サービスの論点~生活機能向上連携加算の創設」はこちら(12/21)

 訪問介護の生活援助の見直しについて

・「身体介護を含めて訪問介護の報酬を見直し」はこちら(12/7)

・「訪問介護サービスの論点~生活援助の担い手の拡大(基準の緩和)」はこちら(12/19)

 有料老人ホーム等の併設事業所に対する集合住宅減算の強化について

・「有料老人ホーム等の訪問介護サービスの見直し」はこちら(12/5)

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に税理士からお伝えします」

・火・木曜日は「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」

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・日曜日は「住宅取得等資金の贈与の非課税」の誤りやすい事例

 

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