井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2018.01.25.Thu | 介護事業

平成30年度介護報酬改定の動向~訪問看護の論点④「訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直しとは何か?」

介護報酬改定に係る「訪問看護」の主な論点をご紹介します。

見直しの論点は次のとおりです。(出所:平成29年12月18日「平成30年度介護報酬改定に関する審議報告」)

 

「訪問看護」の見直しの主な論点

1 在宅の中重度要介護者の療養生活に伴う医療ニーズへの対応強化

2 ターミナルケアの充実

3 複数名訪問加算の創設(看護補助者の同行可能に)

 訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直し

5 報酬体系の見直し

6 集合住宅減算(同一建物減算)の見直し

 

今回は論点④

「訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直しとは何か?」を紹介します。

 

介護給付費分科会で、この論点について次のような意見がありました。

(平成29年11月8日 第150回社会保障審議会同分科会)

 

(リハ職との連携の現状)

リハ職訪問は、看護職員と連携・協働のもとで中重度者やターミナル期の利用者の在宅療養継続に資するリハビリテーションの提供が期待されています。

看護師が全くアセスメント等に関わっておらず、理学療法士と連携していないステーションがあることは問題であり是正が必要です。

 

(アセスメントの必要性)

看護師と理学療法士が共同してリハの実施計画を立てる、月1回以上は必ず看護師が訪問し療養上の課題等をアセスメントし訪問看護計画に反映するということを、運営基準に盛り込むことが重要ではないでしょうか。

 

(現状の把握と対応が必要)

看護職とリハ職の連携が全くない又は方針の共有をしていない事業所が一定程度あることについて、看護業務の一環としてのリハという前提であるとすれば、何故このような現状なのか把握し、対応を検討すべきです。

 

さらに、次のとおり報告されています。

(訪問看護ステーションにおける職種別の訪問看護の状況)

① 理学療法士等による訪問を行っている訪問看護ステーションの介護保険の利用者のうち、30%が理学療法士等のみの訪問であり、要支援2以下が約20%です。

② 理学療法士等のみの訪問を提供している利用者について、「看護師がアセスメント等のために訪問することは基本的にない」とした割合が約22%です。

 

(訪問看護ステーションにおける看護職員と理学療法士等の連携による効果)

訪問看護回数のうち8割以上を理学療法士等が訪問(2割未満は看護職員による訪問)し、両職種が連携している利用者への効果として、「看護職とリハ職の共通認識による統一したサービス提供が可能」が29.7%となっています。

 

(訪問看護事業所における看護職員とリハビリ職との連携実践例)

最上図のとおり

 

課題は「看護職員と理学療法士等の連携が十分でない」

「訪問看護ステーションからの理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士(以下、理学療法士等という。)による訪問看護は、その訪問が看護業務の一環としてのリハビリテーションを中心としたものである場合に、看護職員の代わりに訪問させるという位置づけのものであるが、看護職員と理学療法士等の連携が十分でない場合がある」

 

 

この課題に対して、介護サービスの適正化・重点化を図る意味から、「訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直し」について、次の3点が示されています。

 

①(看護職員と理学療法士等が訪問看護計画書等を連携して作成)

理学療法士等が訪問看護を提供している利用者については、利用者の状況や実施した看護(看護業務の一環としてのリハビリテーションを含む)の情報を看護職員と理学療法士等が共有するとともに、訪問看護計画書及び訪問看護報告書について、看護職員と理学療法士等が連携し作成することとします。

②(定期的な看護職員の訪問によるアセスメントの要件化等)

訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成にあたり、訪問看護サービスの利用開始時や利用者の状態の変化等に合わせた定期的な看護職員による訪問により、利用者の状態について適切に評価を行うとともに、理学療法士等による訪問看護はその訪問が看護業務の一環としてのリハビリテーションを中心としたものである場合に、看護職員の代わりにさせる訪問であること等を利用者等に説明し、同意を得ることとします。

 

③(①と②の仕組みを導入することに合わせて評価を見直す)

 

 

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みなさん、今日も冬の1日を元気でお過ごしください!

 

訪問看護の改定見直しの主な論点 

・論点①「在宅の中重度要介護者の療養生活に伴う医療ニーズへの対応強化とは何か?」はこちら(1/16)

・論点②「ターミナルケアの充実とは何か?」はこちら(1/18)

・論点③「複数名訪問加算の創設とは何か?」はこちら(1/23)

居宅介護支援の改定見直しの論点

・論点①「質の高いケアマネジメントの推進とは何か?」はこちら(12/26)

・論点②「公正中立なケアマネジメントの確保とは何か?」はこちら(12/28)

・論点③「訪問回数の多い利用者への対応とは何か?」はこちら(1/2)

・論点④「医療と介護の連携強化とは何か?」はこちら(1/4)

・論点⑤「末期の悪性腫瘍の利用者に対するケアマネジメントとは何か?」はこちら(1/9)

・論点⑥「障害福祉制度の相談支援専門員との密接な連携とは何か?」はこちら(1/11)

通所介護サービスの適正化について

・「通所介護に係る基本報酬の減算措置を含めた介護報酬の適正化」はこちら(12/12)

・「通所介護サービスの論点~生活機能向上連携加算の創設」はこちら(12/21)

 訪問介護の生活援助の見直しについて

・「身体介護を含めて訪問介護の報酬を見直し」はこちら(12/7)

・「訪問介護サービスの論点~生活援助の担い手の拡大(基準の緩和)」はこちら(12/19)

 有料老人ホーム等の併設事業所に対する集合住宅減算の強化について

・「有料老人ホーム等の訪問介護サービスの見直し」はこちら(12/5)

改定の方向性を踏まえて、TRAPE鎌田大敬氏が伝えたい「事業者が取り組むべき主な事項」

・「医療・介護報酬同時改定に関して現在までの整理」はこちら(12/14)

改定スケジュールはざっくりと把握しましょう

・「平成30年度介護報酬改定まで、あと4か月およびそのスケジュール感」はこちら(8/17)

 

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