「損益計算書は前期と比較する!」会計の勉強を始めたが、挫折した起業者の方に。
土曜日は、「起業者の会計超理解ハンドブック」として起業者にとって必要な“会計”を紹介しています。
起業者には、「お金の動きを通して会社の状態を把握し、経営をコントロールする」ことが必須です。
そのためには、利益や売上高など会社の成績をあらわす“会計”とお金をどのように使うかを判断するための物差しである“ファイナンス”の最低限の勘所は押さえておく必要があります。
この趣旨に基づいて、起業者にとって必要な“会計”を解説していきます。
前回は「損益計算書(P/L:ピーエル)の5つの“利益”」を説明しました。損益計算書は売上高から費用を差し引いて利益を算出していく表でした(前回11/11)
損益計算書は財務3表のなかでは、一番とっつきやすい表ですが、当期の損益計算書の利益だけをチェックしても意味がありません。
損益計算書をチェックする上で重要なことは、「比較」という視点をもつことです。
つまり、皆さんの会社(事業)の過去の損益計算書と比較することにより、大切なことがわかることになります。
損益計算書で最も重要なチェックポイントは、「売上高と営業利益が前期と比べてどれだけ伸びたか?」です
下図を見てください。左に前期の損益計算書、右に当期の損益計算書を並べて、売上高が増収なのか?減収なのか?また営業利益が増益なのか?減益なのか?を確認してください。
(出所:「一生モノのファイナンス入門」:朝倉智也著、ダイヤモンド社)
売上高は利益に一番影響を及ぼす数字です。営業利益は本業の儲けを表す利益です。
また、比較するだけでは意味がありません。なぜ、そのような増収、減収になったのか?の要因を考える必要があります。
要因を分析するには、例えば、売上高を月別に記載して前期のそれと比較するとともに、得意先別の売上高を並べてみて、その数字を比較して、増収、減収の要因を検討します。
数字というのは、動かしようない事実です。
“会計”は、感覚的に把握している事業の問題を、数字に落とし込み、「証拠」にします。
損益計算書を見ると、会社の経営状況をチェックすることができます。
次回11/25(土)は「五つの箱から出来ている貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)」を紹介します!
週末です。休日の方は、ゆっくり休んでくださいね。
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土曜日は、「“会計”に挫折した起業者の方を対象に、起業者の会計超理解ハンドブック」
・「損益計算書は5つの“利益”だけ覚えてください!」はこちら(11/11)
・「財務三表とは?」はこちら(11/4)
・「会計の勉強を始めたが…」はこちら(10/28)
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