「財務諸表を理解」しようとして会計の勉強を始めたが挫折した起業者の方に。「起業者の会計超理解ハンドブック」
土曜日は「介護事業者のための会計ハンドブック」として、8/19から「介護事業に特徴的な資金繰りや介護会計」について、10回ほど連載してきました。前回で終了します
今週の土曜日から
財務諸表を理解しようとして会計の勉強を始めて、挫折した起業者の方を対象に「起業者の会計超理解ハンドブック」として、起業者に必要な“会計”を紹介していきます。
“会計”と聞けば「簿記」や「仕訳」が必要だとか、「財務諸表」と聞いただけで気分が暗くなり、フリーズする方も多いと思います。
また、“会計”が無味乾燥な数字の羅列に感じる方も多いと思います。
しかし、起業者には、「お金の動きを通して会社の状態を把握し、経営をコントロールする」ことは必須です。そのためには、利益や売上高など会社の成績をあらわす“会計”とお金をどのように使うかを判断するための物差しである“ファイナンス”の「肝」は押さえておく必要があります。
一方で、私は起業者の方に“会計”を理解していただくのに、簿記や仕訳の知識は必要ないとも思っています。また、財務の専門家である税理士と違って、起業者や経営者に財務諸表を自分で作る能力は必要ありません。
起業者の“会計”とのつきあい方としては、事業を継続していく中で、その都度分からない点を専門家である税理士に相談すれば、充分だと考えています。
では、起業者にとって必要な“会計”とは
“会計”と言っていますが、要するに「お金の管理」です。
領収書を整理したり、伝票をつくったりすることは、会社にとって必要なことですが、経営者にとって大切なことは
「お金の動きを通して会社の状態を把握し、経営をコントロールする」
(「起業の技術」浜口孝則:かんき出版)」ことです。
前振りがかなり長くなりましたが,「起業者の会計超理解ハンドブック」の1回目。
「財務3表はなぜ必要なのか?」を始めます。
すべての企業は「お金を集め、集めた金を投資し、利益を上げる」という三つの活動を行っています。具体的には「事業を始める前に何かしらの方法で資金を集めて、そのお金で必要な準備(投資)を行い、それを活用してもうけを出す」ということです。
この三つの活動を、数字を使って表したのが決算書です。
この決算書のうち、財務3表が基本になります。これらは、その企業の「過去と現在の状態」を表し、経営者と株主・銀行・債権者等が正確にその企業の実態を把握するための道具として利用されています。
では財務3表とは
① 損益計算書(P/L:ピーエル)
② 貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょうと読みます。:B/Sビーエス)
③ キャッシュフロー計算書(C/F:シーエフ)
です。
土曜日は「起業者の会計超理解ハンドブック」を連載します。次回の第2回目は「財務3表の内容と関係性」を紹介しますね。
事業計画書の作成や試算表などの作成で、思わぬ問題が発生するとも限りません。事前に信頼できる専門家に相談されることをおすすめします。
事業計画書や起業の会計で、気になる点や疑問点があれば、電話やメールでお気軽にご相談ください(初回は無料です)。
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月曜日は「マイホームの税金の手引き」
水曜日は「同族会社とその役員との取引」
金曜日は「いざそのときにあわてないための相続税や贈与税に関する知識」
日曜日は「2018年3月申告用の所得税確定申告の手引き」
火・木曜日は、「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」として、記事を紹介しています。
「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」は、ケアビジネスに関心がある方やこれから介護事業の経営に取り組まれようと考えられている方を対象に、介護事業に関する基本的で重要な事項を紹介する内容にしていきます。
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