面倒を見てくれていた同居の息子の嫁がいても、相続権はありません。
金曜日は、贈与税や相続税について紹介しています。相続人に関して問題になりやすい事例を紹介しています。「配偶者の連れ子」や「子なし夫婦(兄弟姉妹に相続権がある場合)」などを紹介しています。
今回は「面倒を見てくれていた同居の長男の嫁がいた場合」です。
何が問題かというと、同居する息子の嫁には相続権がないからです。
例えば、長男の嫁として長年同居して、実の親以上に親身になって介護してくれたようなケースです。そういうケースは、少なくないと思いますが。万が一、その義父がなくなった場合には、長男の嫁には相続権はありません。
下図の場合には、長女と次女が遺産の半分ずつもらう権利があります。嫁には遺産をもらう権利はありません。
このケースでは、法定相続人(法定相続分)は次のとおりです。
長女 …1/2
次女 …1/2
嫁 …ゼロ
こうならないための対策としては、次のようなことが考えられます。
考え方1 養子縁組を検討します
事前に義父が養子縁組をして嫁を相続人にします。法定相続分で3分の1の相続権を残します。ここのポイントは、前もって義父から、長女と次女に理由や法的な効果を説明して、内諾を得ておく必要がある点です。養子縁組をしていれば、法定相続分は、嫁、長女、次女で1/3ずつになります。
考え方2 生命保険契約を検討します
生命保険を活用します。保険契約により、長女を死亡保険金の受取人にしておくことができます。受取人が指定されている死亡保険金は遺産分割の対象となりません。世話になった長男の嫁は財産を確実に手にすることができます。
考え方3 遺贈を検討します
義父が事前に遺言書で嫁を指定します。遺言書により財産を長男の嫁に遺贈することができます。
このように事前に被相続人(義父)ができることはたくさんあると思います。
今回のケースは一例ですが、特に法定相続人同士が疎遠・仲が悪い、子どもがいない、離婚・再婚して連れ子がいるなど、相続人に関して気になることがあれば早めに検討されることをおすすめします。
検討にあたっては事前に専門家に相談されることをおすすめします。
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