井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2017.09.06.Wed | 税金(法人)

会社役員を退職したとき「退職所得」となる小規模企業共済制度を「法人成り」のメリットとして活用します。

水曜日のブログでは会社で事業をした場合のメリット(「法人成り」)のポイントを、おさらいしてお伝えしています。前週の水曜日では、給与や報酬、退職金などで法人成りのメリットをお伝えしました。

今回は、国がつくった経営者の退職金制度である「小規模企業共済制度」を紹介します。

小規模共済制度とは(ざっくりと)

小規模企業共済制度は、個人事業をやめられたとき、会社等の役員を退職したときなど生活資金等をあらかじめ積み立てておくための共済制度です。

小規模企業共済法に基づき、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。

節税しながら現役引退後の生活資金や転業資金を手当できるメリットがありますので、おすすめです。

 掛金を払い込むときの節税効果

掛金は「全額が所得控除の対象」となります。(全額を所得控除できるものはなかなかありません。)

掛金は月額1,000円から7万円の範囲で自由に設定できます。最大の7万円の場合は、年間84万円の所得控除が受けられます。

② 共済金を受け取るときの節税効果

共済金を一括で受け取る場合には退職所得扱いに、分割で受け取る場合には公的年金等の雑所得扱いとなり、受け取るときも退職所得控除などのメリットがあります。

③ 受け取り方法の選択が自由 

退職時、廃業時などに共済金を受け取ることができます。受け取り方法は、一括・分割など自由に選択できます。

小規模共済制度に加入できる資格は(法人の役員を中心にざっくりと)?

① 建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社の役員

② 商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社の役員

次のような方は、加入できないのでご確認ください。

① 兼業で事業を行っているサラリーマン(雇用契約に基づく給与所得者)

② 会社等の役員とみなされる方(相談役、顧問その他実質的な経営者)であっても、商業登記簿謄本に役員登記されていない場合

この制度は、小規模な個人事業主の方が加入できるメリットがありますが、小規模な会社の役員が加入できるというメリットがあります。また、会社の経営者(オーナー)以外の「会社の役員」も制度に加入できます。この点はかなりメリットになるものと思います。

月・水・金曜日は次のとおり税務の記事を

水曜日は「会社で事業をした場合(法人成り)のメリット」

・「法人成り(ほうじんなり)の王道のメリット。役員報酬、給与や退職金を活用します。」はこちら(8/30)

・「会社にした場合の特有のメリット『法人成り(ほうじんなり)』を考えます。」はこちら(8/23)

月曜日は「マイホームの税金の手引き」

金曜日は「いざそのときにあわてないための相続税や贈与税に関する知識」

火・木・土曜日は、「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」として、記事を紹介しています。

「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」は、ケアビジネスに関心がある方やこれから介護事業の経営に取り組まれようと考えられている方を対象に、介護事業に関する基本的で重要な事項を紹介する内容にしていきます。

最近の【介護事業の基礎知識バージョンアップ編】の記事は次のとおりです。

・「ビッグデータを分析可能とする『保健医療データプラットフォームは2020年本格稼働』」はこちら(9/5)

・「現金回収と支払の『時間差』」で起きる『黒字倒産』。介護事業では資金繰りが大切です。」はこちら(9/2)

・「大阪府の住宅型有料老人ホームやサ高住における『サービス利用の見える化』」はこちら(8/31)

・「『大阪府における介護施策の現状と課題、対応の方向性』では、データベースが整備されていない問題やケアマネジャーの資質向上が必要という指摘」はこちら(8/29)

・「軽度者に対する生活援助サービスの給付のあり方」はこちら(8/27)

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ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。

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