井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2017.06.30.Fri | 税金(相続・贈与・譲渡)

相続財産を減少させる暦年贈与の基礎控除枠(110万円)を計画的に活用する~基礎控除額の効果的な利用

金曜日のブログでは、いざそのときに慌てないために相続税や相続に関する知識を分かりやすく説明しています。

今回は「暦年贈与の基礎控除枠の効果的な利用」をお伝えします。

暦年贈与の計算方法について

贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に個人から贈与によってもらった財産の価額を合計して課税価格を計算します。

そして、その課税価格から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対して、税率を乗じて得た金額から速算表の控除額を控除して計算します。

 

贈与税の計算は次のとおりです。

計算式は次のとおりです。

(課税価格-基礎控除110万円)×税率-速算表の控除額=贈与税額

 

具体例で計算すると、次のとおりです。

贈与財産  :現金 500万円

贈与する人 :父親

贈与される人:娘

贈与税額は

(500万円-110万円)×15%-10万円=485,000

 

死亡前3年以内の贈与財産は合算します。

ただし、原則として、死亡前3年以内の相続人(例えば子)への贈与財産は、親(被相続人)が亡くなった時のその相続財産に合算されます。

 

基礎控除内での贈与の活用について

例えば上記の例で贈与財産が現金110万円であれば、基礎控除枠内ですので無税になります。計画的に長期間にわたって、贈与される人を増やせばさらに効果的な利用が可能になります。

例えば、子供ら3人に110万円ずつ10年間にわたって110万円を贈与すると、合計3,300万円の相続財産を減少させることができます。

父 ⇒ 長女 A    110万円×10年間 =1,100万円

父 ⇒ 次女 B  110万円×10年間 =1,100万円

父 ⇒ 孫   X1  110万円×10年間 =1,100万円

 

名義預金とされないためにしっかりとリスク管理をしてください。贈与の事実を証明することが大切です。

1 贈与税の申告をしておくこと。

2 預金通帳に振込をすること。

3 もらう人(例えば子)が通帳・印鑑を管理・保管すること。

4 贈与契約書を作成して保管しておくこと。

 

贈与に関する記事は次のとおりです。

「相続税の節税の考え方は難しく考える必要はありません。」の記事はこちら(6/9)

「渡す人・もらう人の双方が満足する生前贈与」の記事はこちら(6/16)

「贈与税は一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。」の記事はこちら(6/23)

 

相続税にかかわる税金に関するご質問・ご相談については、窓口から電話やメールでお気軽にご照会ください。おまちしています。

 

月・水・金は次のとおり税務の記事を

月曜日は、「マイホームの税金の手引き」

水曜日は、「個人事業と会社で事業をした場合、税金はどう違う?」

金曜日は、「いざそのときに慌てないために相続税や相続に関する知識」

火・木・土曜日は、介護事業についての記事のうち、しばらくは介護保険法の改正内容を紹介にしたいと思っています。

 

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